和裁用具

へら・チャコ


へら へらは着物の標し付けに使うもので、象牙、セルロイド、牛の骨などで作られています。私が持っているのは象牙と骨製(たぶん)です。象牙製のものは和裁を習い始めて暫くしてから買ったものです。その当時でも高かったのですが、今では相当高価なものになっているようです。もう一つは知り合いからもらったものです。

 象牙のへらは、使っているうちに先が厚くなったり、または先が欠けてしまった場合でも、とぎに出してまた薄くすることができます。先端が厚くなると標も広くなって寸法が曖昧になり、逆に薄すぎると布が切れることがあります。しかし、私は標し付けに鏝(こて)を使っているので、象牙のへらはとぎに出されることもなく、今や完全にお宝と化しています(笑)。

 チャコは粉を固めたもので、三角や四角の形があります。、ウールなど生地によってはへらが見えにくいので、へらの代わりにチャコを使って標し付けをします。他、私は表地の脇縫い、衽付け、衿付けの時、生地に筋が付きにくい場合、生地の裏に白チャコを使って筋を付けます。しかし、八掛や胴裏、両面使えるような大島、結城などの紬類、単衣物にはチャコは使わないか、使うとしても極力薄くしてすぐ落ちるような使い方をします。それは、反物へのへらや鏝、またはチャコによる標し付けは、縫うのに必要であって、後々まで残るような標し付けは必要ないからです。きものは仕立て替えが出来るのですから、そのことも考慮に入れた用具の使い方が大切です。

 手芸用品も年々便利なものが出てきます。先日洋裁用品店で、スチームアイロンをかけると消えるチャコが売られていてさっそく買ってきました。(2002-07-01)

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