和裁用具

物差し(ものさし)


 私は主に鯨尺の1尺ざしと2尺ざしを使っています。つまり鯨尺で仕事をしているからです。1尺ざしの目盛りは1分単位で付いていて全部で100あります。一番小さい目盛りが1分で、10目盛りで1寸、1寸が10で1尺となります。メートルで仕立てる場合にはメートルざしを使った方が換算しなくてすみますが、私は着物の寸法はやはり鯨尺のほうが適していると思います。着物は体に巻きつけて着ること、女物ならおはしょりをとってきますから、着物を仕立てるにはmm単位の寸法は必要ないのです。かといって、袷着物などの場合、表と裏の寸法が違っているときれいな仕上がりにはなりません。鯨尺のものさしは1分が一番小さい目盛りですから、その半分を5厘とし、それより細かくは、ゆっくりめ、かたいめという表現をして使っています。例えば、5厘よりはすこし大きいけれど、1分よりは少な目というとき、1分かたいめと言います。そうして、きっちりとした寸法を標し付けしながら着物を仕立てていきます。

 2尺ざしの中には片方に鯨尺の目盛りが付いていて、もう一方にメートルの目盛りが付いているものがありますが、これはいちいち換算表を見なくてもいいので便利です。

 ものさしは竹製で、幅が1.5cm位、薄手のものが使いやすく、そりや曲がりのないものが使いよいです。1尺ざしには節がありませんが、2尺ざしは中心に節があるので台の上などに置いて平らになっているかどうか確かめて選ぶようにします。

メートルと鯨尺の換算法 (鯨尺換算表
 1m=2尺6寸4分 ・・・ m X 264=鯨尺寸法
             ・・・鯨尺÷264=m寸法

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